いのちの物語Ⅱ
「小さな いのち」~秋~
線路のそばで遊んでいる小さな君を
見つけたのは 4年前の秋だった。
シャーシャー威嚇する小さな君は
母さんとはぐれたのか とても不安そうにしていたね。
お腹もすいて いっぱい鳴いて
キケンな線路を歩いていたね。
小さな君は
捕獲器の中でもふきげんで
「誰にも触らせるもんかっ!」って
こっちにおしりを向けたまま
ずっと怒っていたんだよ。
だけど、
僕の腕の中に抱き上げると君は
急に ゴロゴロ言いはじめて
びっくりするぐらい たくさん
たくさん 甘えてきたんだったね。
怒っていたのは 怖かったからで
本当は 母さんにまだ甘えたくて
ずっと 鳴いていたんだね。
君のフミフミする前足が
僕に 笑顔をくれたんだ。
曇り空が 晴れるような
そんなお日さまみたいな笑顔をね
君は僕に、くれたのさ。
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2017.11.03 01:24
2017.11.02 12:13