いのちの物語Ⅰ


「小さな いのち」~夏~


5年前の夏 水びたしの小さな君は

どこからともなくやってきた。


僕の方を 一瞬見たかと思うと 

公園のトイレにある 

冷たいアスファルトの上に


パタリと横になって 

倒れてしまった君。


手のひらにのせた君の

小さな小さな心臓は

まだゆっくりと動いていて

あたたかかったよ。


体のわりに大きな前足を 

ぐっと 突き出だしたかと思うと


手を差しのべているかのように 

笑ってたね。


小さな小さな君をのぞき込んだら

安心したように 眠りについた。


だけど僕は君が

死んでしまうんじゃないかと


それはそれはあせってね…

急いで家につれて帰ったんだ。


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