538(ゴミは)どこへ⑦


捨てられて間もない 3匹の仔ねこは

母猫から お乳をもらっていたようで


転がるようにまんまるとしていて

とっても可愛い仔ねこでした。


大人になった少女は 持っていた傘をひっくり返し

そこに3匹をのせて 歩きました。


傘の上で

ポヨンポヨンとゆれる 仔ねこをみつめながら

満面の笑みを浮かべて

大人になった少女は言いました。


「ゴミを拾うと 楽しかったの。」

「なぜだか 心が軽くなったわ。」

「モヤモヤした霧が 消えていくようだったのよ。」

「私がきれいになっていくようで 嬉しかったの。」


「誰かに何かを言われることよりも

 自分が本当にやりたいことを

 やってみたかったわ。」


大人になった少女は 傘にのせられた仔ねこ達たちに

語りかけるように優しく

そして ニコニコしながら話しました。


少女は本当は あまり笑うことのない

おとなしい子供では ありませんでした。


コロコロとよく笑う 笑顔の素敵な女の子でした。

ー7-


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