538(ゴミは)どこへ②
女の子は あまり笑うことのない大人しい少女。
貝殻を拾ったり 砂に絵をかいたり
じぃーと景色を眺めては
ぼぉーっとするのが好きでした。
少女には いつも気になることがありました。
それは とっても綺麗な海岸に
たくさんのゴミが落ちていることでした。
ある日少女は、そのゴミを拾うことにしました。
すると、すごく怖い顔をして
お母さんはこう言いました。
「そんな汚いもの拾ってはダメよ!
汚れるじゃないの!ばい菌がいっぱいなのよ!
病気になったらどうするの!
そんなことして何の得があるの!?」
でも、少女には
怖い顏のお母さんの言っている意味が
分かりませんでした。
なぜなら、少女には
ゴミが光って見えたからです。
「こんなに綺麗なのに、どうして汚いって言うのだろう?」
「どうして、拾ってはダメなの?」
少女は不思議に思いました。
けれど、誰にも言いませんでした。
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