幸せの在処はどこニャンだ？１２～運命の、分かれ道～

僕は、まだ子猫の時に

公園に捨てられたけど生き延びて

自由氣ままに暮らしている

「捨てねこトヨ」って、言うんだよ。

あぁそう、これね？

シッポの先端が曲がってるんだ。

面白いだろ？幸運のカギしっぽって言うんだよ。

捨てられた僕が言うのも、何なんだけど…

公園に遊びに来た人達に

なぜだか分かんないんだけど

幸せの在処を話すのが、日課となっているんだよ。

今日はいつも、暴走している

うるさい兄ちゃんがやって来たぜっ。

まぁいつも、近所迷惑さ。

心を殺して暮らしていると

どこかで、暴動がおきるんだよな。

あーそうか。

君は、自分の居場所をさ

ずっと探してきたんだね？

走りながら、ずーっとさ。

だけどね、兄ちゃん。

レースは、レース場でするもんだろ？

君が走れる、その場所を

見つけて、あげることが必要なのさ。

暴走って走り方じゃ、この先の道はひとつだぜ？

冷たい鉄格子に囲まれた

走る事さえ出来ない場所さ。

だけど、本当は分かっているんだろ？

結果を気にして、怖くてさ

暴走しているだけなんだよな？

だって、その方が楽だから。

レース場で走るよりな。

さぁ、運命の分かれ道だ。

そろそろ、本氣で走ってみろよ？

命を捨てて、走るんじゃなくて

命をかけて、走ってみろよ？