幸せの在処はどこニャンだ？２～不自由さを、捨てる～

僕は、まだ子猫の時に

公園に捨てられたけど生き延びて

自由氣ままに暮らしている

「捨てねこトヨ」って、言うんだよ。

あぁそう、これね？

シッポの先端が曲がってるんだ。

面白いだろ？幸運のカギしっぽって言うんだよ。

捨てられた僕が言うのも、何なんだけど…

公園に遊びに来た人達に

なぜだか分かんないんだけど

幸せの在処を話すのが、日課となっているんだよ。

今日は、車いすのお姉さんが来たよ。

子供の頃に、事故にあったんだってさ。

行き場のない、怒りと

絶望という、悲しみが

お姉さんのハートに刺さってた。

あーそうか。

動かせなくて、イライラしているのは

お姉さんの足じゃなかったんだね。

事故の時から、固まったままの

ハートの方だったんだよね。

だけどね、お姉さん。

本当はもう、自由に動かせるよ？

そろそろハートに刺さったその針を

見つけて抜いてあげればね。

ただ、見つけてあげるだけでいいんだよ。

見つけてあげると、動くから。

君のハートは、動くから。

動くといっぱい出るけどね。

たまったものが、出るけどね。

涙や

鼻水

眠気とか

いろいろいっぱい出るけどね

出し切ったそのあとは

必ず、笑いが出るからさ。

それまで、出し切ったらいいんだよ。

もう自分で自分を縛り付けて

不自由にしなくてもいいんだよ。

君はもう、自由だよ？

どこにだって、行けるのさ。